現代のおたがまつり
現在おたがまつりは、3月の第二日曜日に行われている。一般の祈祷は、午前九時頃から午後三時迄行われている。午後4時から、御輿を迎えに行く人たちの御祈祷が始まり、御輿をわたすのは、三時三十分頃、白装束の若者達が担ぎ、ゆっくりと行列が進む。 行列は、先達の後に、御祈祷の大札、幡、供物、巫女、神官、御輿、僧侶、供物の順に整然と並んで進む。 結願法要(けちがんほうよう) 御輿が壽命殿に入ると、村社の祢宜によって、供物の奉奠と玉串の奉奠がなされる。その後は、仏前次第となり、いよいよ結願法要が行われる。 法要の最後に、供物の赤飯を、参列者が手箸で口にするのが昔から村に伝わる作法である。
餅投げ
法要が終わると、いよいよ餅投げと玉取りである。境内中央に出された餅投げ台から、四方八方にたくさんの餅が投げられる。餅は、善男善女からの寄進によって、前日に村の人たちが総出でつく。餅の中には、当たりくじのついた餅もあり、当たった人には、ささやかな景品が配られる。 餅を投げるのは、地元の厄年の代表の男と、御輿をかついだ若者達である。餅投げの最後には、大型のお供え餅が投げられる。
令和5年大祭から、餅投げは行いません。
玉取り
玉取り餅が投げ終わると、玉取りの準備に取りかかる。十数年前から危険性を当局から指摘されて、争奪の範囲を限定し、参加者も前もって受け付けて行われるようになった。玉取りの範囲は、境内中央の、東西十五メートル、南北十メートルほどの範囲である。西側の壽命殿に近い方に、行列に使われた二本の幡が立てられ、この間を、玉を持って通り過ぎた者が勝者である。 参加希望者は、現在は中学生以上の人で男女は問わない。酒気を帯びての参加は厳禁である。希望者は、玉取りが始まる前に、争奪の範囲内に入り、審判から赤いたすきをもらう。(中学生以上に参加資格を拡大したのは平成十三年から) 地元の厄年の代表が、餅投げ台に乗り、玉を右手に持ち、大きく3回まわす、そして下で待つ男達の上空に投げ放たれる。宙を舞う金の玉に、男達が手を伸ばし、争奪が始まる。たとえ手にとっても、それを持って所定の場所まで持っていくのは至難の業だ。玉を持たない男達は、玉を持つ男を枠外に押し出す。争奪の範囲を出れば、玉は審判に渡され、再び投げ入れられる。そして再び、男達が玉を取り合う。そんな激しい争奪を繰り返して、2本の幡の立つ間を玉を持って通り過ぎたものが勝者である。 勝者には、御幣、餅、酒一升、勝利者賞が贈られる。そして何よりも名誉が勝者に与えられる。
令和5年から玉取りは行いません。理由は玉の争奪が危険で、これまでもケガ人が出ていたからです。